あのさ、かなり昔の話になるんだけど、俺が田舎に来てた時の話でさ、
なんか近所の山の上に鉄塔があってさ、あの電線とかかかってるやつなんだけど

ただその電線に逆さまにさ、鉄棒で言う豚の丸焼きみたいな感じで動くものがいたんだよ。

のうのうと頭とか掻いてるから、昔の話で俺は子供で、なんでかナマケモノだと思ったわけで

家に居たのがじいちゃんだけで、ばあちゃんはもう死んでて、兄貴はどっか探検で、父さん仕事母さんは買い物でさ、じいちゃんしかいなかったのよ。


のんびりお茶飲んでたのを今でも覚えてるね、仏壇の前でさ

前にも言ったけどナマケモノだと思ってたから、じいちゃんを呼びに行ったんだけどもね、

 ふつう電線にナマケモノはいない

のんびりお茶をすするじいちゃんを家の前まで連れてきて、ナマケモノだよって指差したんだよ

電線にナマケモノなんかいなかったけどね、当たり前の話なんだけどね、でもじいちゃん驚いちゃってね

柱、といってもただの柱じゃなくて、玄関入ってすぐの柱、あれがいわゆる大黒柱って後で聞いたんだけど

にも関わらずなんか壊し始めたの、しがみついて殴ったり蹴ったり、驚いたね

もう子供心にヤバいと感じた俺は家から逃げたしたのに、家から音がすんの

いつのまにかナマケモノがぶら下がってたんだけど、しかもすぐそこの電線、もうすぐそこ、また驚いた

またまた驚くことに、ナマケモノだと思ってたらなんか違ったのな

すぐにわかっちゃったんだけど、死んだっていうばあちゃんの顔したやつ、

 毛むくじゃらだったよ指先までも、ただ顔だけ人間みたいで

気持ち悪くなってさ、子供ながらにアレはヤバいとわかったのかもしれないけども、逃げようとしたの

が、足がすくんで動かなくて、ばあちゃん笑ってて

ついでに笑い声あげてどっかいっちゃった、電線つたって、するする

かなり目立ってたけど、騒ぎになった覚えは無いからさ、なんでだろうね

なんとかなったと思ったら母さん帰ってきて、じいちゃんに気付いて気付いてご近所と取り抑えたらさ

いつの間にか普段通りに戻ったらしい、俺は実家に帰ってたから聞いた話でさ、お茶飲んでるってさ

だからじいちゃん死んだことも知らないんだけどさ、じいちゃん地震で家崩れて死んだらしいけど

けっきょく、俺じいちゃんばあちゃんの死体見た記憶が無いんだわ


引用元http://horror-terror.com/