ピザ屋のバイトをしていたN君の話。
注文のピザを届けに行くと、そこは塀に囲まれた、わりと大きな一軒家で
小さな門があり、数メートルほど奥まったところに玄関。
門が開いていたので「ごめんください」と入っていって玄関のチャイムを押した。
すると「はーい、待ってて」という返事。

でもしばらく待っても誰も現れず
ピザが冷めるといけないので
玄関の取っ手を回してみるとドアが開き
家の中を、そーっと覗きこみ
「ごめんください、ピザをお届けに・・・」
すると、廊下の奥の方から「はーい、待ってて」とチャイムと同じ女性の声。
しかし誰も現れないまま、しばらく時間が経過する。
家の中はシーンと静まり返り、昼だというのに薄暗く背筋がゾクッとするくらいに妙に寒い。

「あのー」と声をあげようとすると
奥の方の部屋からゴトっという物音が聞こえた。
やっと出てくるのかなと思って待っていても
またしばらくシーンと静まり返る。
またゴトッ、ゴトゴトゴトッという物音が奥の方の部屋からする。

なんだか怖くなってきて
どうしようかなと思って周りを見回すと
靴箱の上に紙キレが置かれているのに気づいた。
そこには「お代です」と書かれ、紙の下にピザの代金が置かれていた。
あ、なんだと思い、届けモノのピザを靴箱の上に置き、代金を受け取って
「ここに置いときまーす!ありがとうござい・・・」と言おうとしたとき
再び奥の方から「待ってて」とか細い声。

「待ってて」と言われ、出るにも出られず
しばらく待っていても中からやはり誰も出てこない。
少しするとまた奥の方からゴトゴトゴトッ。
そして「はーい、待ってて・・・はーい、待ってて・・・はーい、待ってて・・・
はーい、待ってて・・・待ってて・・・待ってて・・・」
「え?えっ?なに??」
N君は暗がりの廊下の奥の方を目を凝らして見てみると
そこに、長い黒髪を垂らした女性がゆらゆら揺れるようにボーッと立っているのが見えた。
よく見ると女性の足元が宙に浮いている。

さすがに怖くなってN君は走り去るようにその家から出て
しばらくしてバイトも辞めたという。


引用元http://toro.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1369636704/