祖母の実家は山あいにあるんだけど、丁度北側に山があるから、北風が入らず、
南側からの太陽の光をを一日中浴びてるような、そんな穏やかな村なんだ。


小さな時、祖母から聞いた話。

その村のお寺には尼さんがいたみたいなんだけど、その尼さんの所に、亡くなる前の人が挨拶に来たらしい。

明け方か夕方だったか忘れたけど、薄暗くなると、人がお寺の中に入ってきて、
私は○○という者ですが、近い内にお世話になりますと言っていなくなる。

すると近い内にやはり○○さんという人が亡くなり、葬儀に呼ばれるらしい。


で、尼さんもそれに慣れた頃、いつものように薄暗くなってから人が来た。

いつものように、お世話になりますと言って消えたけど、その人はそれからすぐ意識不明になったけど、無事に息を吹き返したらしい。

尼さんはその人が生きてよかったなあと思って、でもどうして挨拶に来たけど無事だったのかなって考えた時、わかったんだって。


亡くなる人はお寺の中に入ってきて挨拶をした。
でもその人はお寺の庭から挨拶をしてきて、中には入ってこなかったらしい。

お寺の中に入るとこの世との縁が切れるのでしょうね、と尼さんが言ってたらしい。


又聞きだから、らしいばっかりですみません。


あんな陽だまりみたいな明るい村にも、こんな不思議な話があったって事が当時は衝撃だったな。

あれからだいぶ時間は流れたけど、そこは昔と何も変わらず、今も静かに太陽の光に包まれてる。


読んでくれてありがとうございました。おわり


投稿者:名無し