先に行っておく、俺は霊感とかさらさらないが文才も無い。
文も大したオチじゃないかもだけどちょっと怖い話を書いてく。

俺が中2の夏の話だ。
地元は広島で、瀬戸内海に浮かぶ小さな島だ

家族で唯一霊感がある母親は小さい頃から霊感が強いらしく、いつもお守りやお塩(清めた)を持ち歩いていたり、玄関には何か置物を置いたりしている。

俺は部活から帰ってきてすぐ風呂に入り、晩飯を家族で囲んで食べていた。

父親は相変わらず無口だ。妹は塾に行っていて今夜は俺と母親と父親と3人だった。

普段父親は食事以外のほとんどは自分の部屋に閉じ篭り、仕事の続きやらをしている。
他に何をしているのかは分からないけど俺や妹は会えば普通に話しをするし会いづらい事もないが、母親は旦那に何か不満事がある度に、口うるさく俺たちに当たり、リビングで1人寂しくテレビを見ながら酒を呑んで発散させていた。

俺は本当に母親のそうゆう所が嫌いだった。




その夜俺は少し変な夢を見た。

夢の中の俺はそれが夢だって事に気が付いているらしく、冷静だった。
でもやけに膝が痛かった。
足を動かそうにも少しも動かない。
目を開けているが視線が膝の方に向かない、
そうなってくると夢の中の俺も流石に あぁ、これが心霊体験ってやつか
などと心の中で思ってしまう。

しばらく時間が経って足を動かしてみると少しだが動いた。
ふと視線を膝の方に向けると、小さい地蔵みたいなものが見えて、ギョッとしたところで目が覚めた。

せっかくの休日の目覚めは最悪だった
膝を見てみると赤く晴れていた。

怖くなりいつも早起きの母親なら起きていると思い、リビングに降りて相談してみる事にした。(心霊体験とか全く経験した事無いので怖くなった)

すると母親は形相を変え、
「それはどがな形?!」
やら、
「大きさは!?」
「色はどがなんよ!?」
など、俺の腕を強く掴んで聞いてきた

めちゃくちゃ怖くなった俺は、
「怖くて分からなかった」

と、動揺しながら答えた。

母親がこんなに形相を変えたのは初めてだったので余計に怖くなった。

俺は
「そんなに大変な事なん?!俺呪われたん?怖いんじゃけど!」

半泣きになった俺を母親は、
「いい?母さんの話聞いて、質問に答えるだけでえんじゃけ、大きさ、色、教えてみんさいや。大丈夫。母さんが守っちゃる」

その言葉に安心した俺は覚えている限りで全て母親に話した。

すると母親は昔、体験した話をしてくれた。

今から30年位前に母親の中学の母校近く(俺も通った)に昔小さな祠があったらしい。
今は取り壊されたかで無くなったけどそこに小さなお地蔵があり、学校から少し離れているにも関わらず毎日、教職員の人や近所の人がお花やお米やお菓子を供えられてた。

けど、母親も同級生もなぜそこに祠みたいなものがあって地蔵があるのか、なぜ毎日供えるのか、別に気にもならなかったし、話題にもならなかった。

母親が中学を卒業した頃、卒業生と思い出作りを兼ね、流れで母校に行くことになった。

(今こそ、ALSOKやら警備の人や、校門は鍵がかかって入れないが昔は木造で鍵もかかっておらず夜は溜まり場になってた。)

みんなそれぞれ記念撮影をしたり、教室に侵入したり、校庭に出たり思い出に浸っていた。

日もすっかり沈みそろそろ解散しようとした時、一人が地蔵がある祠を指さし、何を思ったのか小さいお賽銭をひっくり返し出てきた小銭をポケットに入れた。

罰当たりなことをするなぁ
と周りは気にもとめなかったがその時母親には地蔵の目が光ったように見えたらしい。
母親が何度も友人にその事を伝えても、軽く馬鹿にされそんなことあるわけ無いだろの一言でまとめられたらしい。

その夜母親は校舎を回った女友達二人と三人で家に泊まった。
夜遅くまで語った後夜中の1時間くらいか、眠くなり狭い部屋に三人で川の字で寝た。

その当時は冷房がなく、狭い部屋なので蒸し暑く、窓をあけ扇風機をつけて寝た。

眠りにつくとしばらくして、勉強づくえの上から、

カサッカサッカサッ

と妙な音が聞こえてきた。

母親は、はじめの方は扇風機の音かな?
と思ったがその音は次第に

カサッガサ…ガサガサ…

段々と大きくなるその音に不安を感じ横で寝ている友人に声をかけようと声が出ない。
首を傾けると友人は滝のように汗を流し、うなされている。

おかしい。
そう思った母親は体を動かそうとするも動かない。

膝に強烈な痛みを覚え、声も出なかった。

次第にその音は

ガコ…ズリズリ…ガサ…

なにかを引きずりながら進む音に聞こえた

机の上にはそんな音がするものは何もなかった筈なのに…

そう母親は思い、起き上がろうとするにも膝が痛み、体も動かない。

もうダメだ

と思った時に膝の痛みがなくなった。

すかさず机の上を見てみると。

月明かりに照らされたあの祠の小さな地蔵と、その横には坊主頭の見るからにやせ細って、骨と皮のような手足、砂ぼこりで汚れたTシャツ、短パンには名札を縫いつけているような小汚い小学生位の男の子が机の上に置いてあった駄菓子を


ガリガリ…ガリ…ガリ…

と容器ごと食べていた。

母親はそこで気を失ってしまい。
朝、目が覚めて昨日の出来事を友人二人に話してみた。
二人は蒼白な顔で震えながらうん。うん。
と頷くだけで昨日のことを語ろうとしなかった。

そして机の上を見ると、駄菓子に歯型がついており机の上には、真っ黒な手垢がベタベタと付いていた。



一通り話したあとに母親が

(あの祠の地蔵はね、戦争時代の防空壕跡に作られたものだったらしいんよ。○○←俺の名前。は学校の近く、校門を出たところでなんかしたんじゃないん??)


そこまで聞いて俺はやっと理解した。
俺は学校の近くで立ちションしていた

校舎まで戻るのが面倒だった俺は校門に隠れるように立ちションして、友達と帰ったんだ。


そうなると今までの恐怖が、罪悪感に変わった。
あぁ俺はなんていうことをしてしまったんだろう…

もうとりあえず自分を戒めたくなった。


(○○今から行くでね。誤りんさいね。お菓子持って。心から謝りんか)


母親にそう言われ俺と二人で祠があった場所にお菓子を持っていった。

何もない場所だけど必死に手を合わせて謝った。

そしたら、心なしか肩が軽くなった感じがした。

帰り道俺は振り返った。
何もない場所にお菓子をおいた筈なのに、一瞬夢で見た小さな地蔵と母親が言ってた男の子がこっちを見てた気がした。


それからちょっとの間学校の登下校、ビクビクしながら学校にかよったけど、あれからは何もなかった。

母親には、しばらくの間、口うるさく耳にタコができるほど、

(もう罰当たりなことしたらいけんよ!)

と言われるが、俺はもうそんなことはしない。


それから10年近く経つけど両膝のアザが何よりの証拠だ。

それより母親に地蔵のことを教えてもらえなかったら俺はどうなってただろう。
と思うと夜も寝れなくなる。
今までで一番母親に感謝している。
好きじゃなかったけど(笑)

今は学校もグランドも取り壊され、祠も跡形も無いけど。

その近くを通るとアザが痒くなる



投稿者:名無し