ここのところ、同じ夢を見ることが増えた。
同じって言っても、全く同じなんじゃなくて、むしろ場所なんかもばらばらなんだけれど、どれも共通点があるというか、あー、うまく言えない。
とにかく、それは基本的には、俺がある女に会うっていうそれだけの夢なんだ。共通しているのは、いつも川や沼なんかの水辺であること。

ある時は黄河のような広く汚れた川に掛かった大きな橋の上で、ある時は森の中のとうめいに透き通った沼のほとりで、またある時は赤い鯉がうじゃうじゃ泳ぐ公園の池の側で。俺は釣りをしていた時もあるし、ただ歩いている時もある。ああ、今思い出したけれど、どこか知らないアパートで金魚の死骸が白くなって沈んでいる水槽を見ていた事もあった。
もうひとつ、共通していることは、俺がいつも一人でいて、他には誰もいないってこと。そのある女を除いては。
その女の容姿は、あまりはっきりとは思い出せないんだけどさ、結構綺麗な女なんだ。二十歳前後かな。目が大きくて、黒髪。話をしたことは無いと思う。ただ、会うんだよ。いつも。
これだけなら、まあ、ただの不思議な話だよな。綺麗な女と夢の中で会えるなんて、考えようによっちゃ幸運なことだと思うよ。
でももちろん、それだけじゃないんだ。
毎回、死ぬんだよ。おれが。
ある時は橋から落ちて、ある時は海に落ちて。毎回毎回。ああ、これも共通点があった。とにかく、どっかに落ちる。
そして、汗だくで目が覚める。夢の中では、それが同じ夢だとは気づけない。いつもいつも、本当に死ぬような恐怖を新鮮に味わえる。いったいどういうことなんだろう。これはいったい何を意味するんだろう?
最近は、もう眠ること自体が恐ろしくなってきてしまった。


投稿者:近浦