これは、私が7歳の時の話です。
文才ゼロなので読みにくいとは思いますが、お付き合い下さい<(_ _)>


私には4歳年下の弟がいます。
弟とは小さな頃から仲が良く、毎日のように一緒に遊んでいました。
その頃私と弟の間ではかくれんぼがはやっており、毎回私が隠れて弟が探す、という風に遊んでいました。
この日もいつものように私が隠れて、弟は私を探し始めました。
いつもなら私はカーテンの後ろやトイレ、棚の影などに隠れていたのですが、今回は違いました。
何故か押し入れに隠れたのです。
今まで隠れたことのなかった押し入れ。ここなら見つからない!!と考えたのだと思います。
押し入れの中はひんやりとしていて、大した広さもなかったけれど、何故かとても居心地が良かったのを覚えています。
弟が私を探し始めて少したった頃、私は不意に右肩の辺りに強烈な違和感を覚えました。
物理的なものではなく、なんだかざわざわするのです。
その違和感に気づいた瞬間、頭に思いっきり揺さぶられたような衝撃をくらいました。


気づくと私は押し入れの中に横たわっていました。体はなんともありません。さっきまでの強烈な違和感ももうありませんでした。ほっとして私は押し入れから出ようと扉に手をかけました。
直後、

とん、とん。

私は本能的に手を引っ込めました。
誰かが外から押し入れの戸を叩いたのだとすぐにわかりました。
そして、弟の声で「お姉ちゃん?」と私を呼ぶ声がしました。
(なんだ弟か・・・・・)
安心しきって答えようとして気付きました。
弟は私のことを『お姉ちゃん』とは呼びません。弟はいつも私のことを下の名前で呼んでいました。
これは弟じゃない。
直感で悟った私はとっさに口を塞ぎました。
その弟じゃない誰かはとん、とん、と一定のリズムで戸を叩いてきます。
お姉ちゃん。
お姉ちゃん、開けて?
お姉ちゃん。
そう弟の声で繰り返しながら。
私は押入れの隅でうずくまって震えていました。
どれくらいたったでしょうか。また何回目かに戸が叩かれ、弟の声が聞こえました。

「ゆきちゃん?」

はっきりとその声は私の名を呼びました。
私は勢い良く押し入れの扉を開け、外できょとんとしていた弟に飛びついてわんわん大声で泣きました。私の泣き声を聞いて飛んできた母に抱きしめられ、私はただただ泣くしかありませんでした。
それから何年も経ち、私は未だに弟と仲は良いし、お化けも苦手です。押し入れにも絶対に近づきません。
結局あれが何だったのかは分からずじまいです。でも、私が押し入れから飛び出した瞬間に『押し入れの中から聞こえた』舌打ちと、

「次こそは」

という低い声は何年経っても忘れることはないでしょう。



投稿者:雪