随分と前のお話です。

私が小学校5、6年生の頃だったと思います。

コンクールに出すペンギンの絵を一緒に描こうと、夏休みに山奥にある友達の家に遊びに行きました。
一通り絵を描き終わると、塗り絵をしたり、ゲームをしたりして遊びました。
しかし、私たちはすぐに飽きてしまい、夕暮れ時になると辺りを散歩しようと二人で出かけることにしました。
友達の家というのが、本当に山の中にあり、人通りもあまりなく、その一帯の住宅街はとても閑散としていてぽつんぽつんと人が住んでいるのかわからない家が建っていたりしました。

私は人のいなさそうな方に行こう、と友達の手をひき、住宅街を奥へ奥へと進んでいきました。
ふと足を止めたのは、見るからに人が住んでいなそうな真っ暗な古い家屋の前でした。
石塀に囲まれたそこは、その家の玄関の扉の三分の二が覆われるくらい長い雑草がはえていて、荒れ放題という感じの景観でした。これ、人住んでるのかな、住んでなさそうだね、私たちがそんな会話をしていると、どこからか男性の低いうめき声のようなものがきこえてきました。
その通りには少なくとも私たちから見える範囲には人影はなかったので、話し声というわけではなさそうでした。そのうめき声は、虫の声だけがするような静かな路地に、はじめはかすかに、徐々にはっきり聞こえるくらいのボリュームで聞こえてきました。
どこからするのだろう、と声のするほうを見てみると、どうもその家屋の中から聞こえてくるもののようでした。

そんなことを考えていると、一瞬固まっていた友達がうわあっと声をあげて元来た道を猛ダッシュで戻り始めました。私は友達を追いかけるようにして走って帰りました。

帰った後にこのことについて友達と話した記憶はありません。

あの時聞こえた声はなんだったのか、今でもわかりません。

怖いというよりも不思議な体験でした。
駄文、長文失礼しました。


投稿者:吾妻