都心近郊の私鉄高架脇のアパートでのこと。。。

私が最初の一人暮らしを始めたのは15年も前の事。
みつけたアパートはモルタル造り、トイレ風呂別の築25年のアパート。
部屋は2階の真ん中にあり、住人は男女、世代ばらばら。
2階に上がる外階段には申し訳程度のトタン屋根がついているが、
雨の日には吹き込みでいつもずぶ濡れになるのだった。

部屋の下見に行ったその日。
思い出せばあの時その部屋に決めるのをやめればよかったのに。。。
家賃の安さと駅近でつい選んでしまったのだ。
業界中堅不動産屋の営業マンに伴われ、どんよりした4月下旬、
その部屋を見に行った。
アパート建物は袋小路の突き当りにある。

でこぼこの小路を、ねん挫しそうになりながら歩き、
外階段を上った。
高架脇だし立て込んだ住宅密集地にあるのだから、暗いのは当たり前田のクラッカー。。。
内見していると、トイレの空調機はこわれているし、給湯器は設置20年以上で使用不可。
おまけに。元窓だったところをつぶして押入れにリフォームしてある(なぜかは不明)
でも結構広いし、前住人も女性との事、では風紀はOKかなどと営業マンと会話しているその時。。。

がたん、がたん、。。。ばたん

玄関扉が開閉する音。
<あれ?今誰か入ってきましたかね?>(私)
<え?いいえ、だれも>(営業マン)
背筋が一瞬ぞっとしたが、内見はその後も少し続いた。
部屋を出て、車に戻った時。
<あそこ、いわゆる事故ありじゃないですよね>(私)
<今は告知しなきゃならないんですよ。大丈夫!!>(営業マン)
私はその言葉を信じて不動産屋に戻り、その場で契約してしまったのだ。

さてその後念願の一人暮らしを5月春先から始め、しばらくは順調だった。
駅近、買い物は便利。友人が来訪して賑やかな日々を過ごした。。。。
そして9月になった。そろそろ一人暮らしも板について来た頃。
変な夢を見るようになった。

それはいつも明け方。
女性の背中。黒髪をサイドで三つ編み。服は1980年代風で長いフレアのスカート、薄手のカーディガン。
夢の色はセピア色。なぜか洋式トイレで首をつろうとしている。。
しかし表情は見えない。。。毎晩ではないが、数週間にわたり何度も見ることになった。

あまりにもリアルだったので近所の知人に話したが、やはりアパートでの変な噂は聞いた事がないと言われた。
悩みに悩んだ末、高額のお祓い代金を払う余裕がなかったので、
近くの神社に夢を見なくなるまで何度も参拝を続けた。

この夢をみなくなって10月下旬の事。

また違う夢を見た。

時間は明け方3時。
うつらうつらしていると、部屋に人が入ってくる気配がした。
もちろん扉の音もしていないのだが。。。

身長なら175㎝位の長身。男性とわかる細見の茶色い人影。。。
(ひえ!!)
私は恐ろしさで飛び起きた。
しかし、周りを見渡すと人影は消えていた。。。
確かに玄関あたりから入り、窓のほうへ大股で歩いて行ったはずだ。。。

今度は近所に長く住む友人に話した。
すると。

友人はその祖母に昔何かあったかを聞いてくれたのだが、

第2次大戦中、今は高架の線路が路面だったころ、
アメリカ軍機に襲撃され、その線路付近でたくさんの方が
亡くなったとのことだった。
そうか。あの茶色い人影は、、
もしかしたら焼夷弾で怪我をされ亡くなった方々の霊だったのかもしれないと。。。

私は、あまりに不思議なことが続くので、
11月下旬にそのアパートを引き払った。
今度は明るく日の当たる部屋に変える事になった。

そのアパートは今でもリフォームもせず高架脇にひっそりとたっている。

その辺りは江戸から続く旧街道を少し入ったところにあり、
悲惨な歴史の旧跡が近くにあるから、
いろいろなものを引き寄せてしまっているのかもしれない。。。


投稿者:まりも