小さいころになおちゃんという子が隣に住んでいた。なおちゃんは、見える子で、いろいろ変なものを見ては友達である僕に教えてくれた。
あるとき、あそこのおばさんには、何かついていると言う。「それって何?」と聞くと、向かいのおじいさんだと言い張る。
確かに一昨年におじいさんは亡くなったけど、それなりに高齢だったし、関係ないはずだと思ってなおちゃんに聞くと、「ううん、違う。あそこのおばさんが殺したの」と言って譲らない。

なんでも、おばさんは、おじいさんの家が裕福なのを妬んで、相当の嫌がらせをしてきたらしい。おじいさんは思い余って弁護士を挟んで話し合いをしたものの、田舎のことなので、「事を大きくした」と村長さんが起こって、ワシの顔をつぶした(問題を村長さんに相談しなかった)として、村八分の処分にしたそうだ。なおちゃんが言うには、村長さんは、おばさんの父親だから、頼めるわけないじゃんってさ。

そのあと、なおちゃんがずっと、おばさんの肩を見ては、顔をしかめていた。三か月くらいしてから、そういえば、なおちゃん、おばさんの話をしないなあと思っていたら、おばさんの家からおばさんのお葬式が出た。うちの母さんは手伝いに言って聞いた話なんだけど、すごい死に顔だったらしい。

「おばさん、死んだんだって」と僕がなおちゃんに言うと、「人の親を殺して、まともな死に方するはずないよね?当然でしょ」と平然と言ってのけた。まるでこうなるのを知っているようで、背筋が寒くなった。


投稿者:もえ