レッカーの仕事、スーパーエースの話⑧です。

今回は、ちょっと特殊な話。佐藤君が20歳で成人式に出たとき、中学校の同級生に頼まれたことがきっかけで、佐藤君自身が初めて経験した現象だそうです。

その前に質問ですが、やっぱりQAに戻します。読みにくい人はすいません。

Q 幽霊が逃げるアロマの商品名教えて

A 探したんだけどビンしかなくて、ちゃんとした名前分からないんだけど、オリバナムって書いてある。これね、確かに匂わせるといなくなるんだけど(笑)次の日には戻ってきてるから、家にいる幽霊には期待薄かも知れないすね。どっか外で急に肩が重い、足が痛いとかの時は有効な気はします。

Q 幽霊へのお供えは、一般人がやっても通用する?

A しますよ、もちろん。物は何でもいいけど、知ってるなら好物がいいんですけど。

Q ①人間のためにいいことをしようとしてくれる幽霊はいないのでしょうか?

②佐藤君が知ってる「幽霊が起こした大事件」や「幽霊が起こした心温まる出来事」などはないでしょうか?

③お地蔵様は皆の幸せのために奔走していると聞きますが、本当ですか?

A ①どうかなぁ?あんまり、幽霊でいいことしたいと思ってるヤツは会ったことないかも(笑)身内を心配してるヤツはいっぱいいますけどね。もしかしたら、「特定の誰かのため」ならいるかも知れない。

②大事件となると微妙ですが、広島かどこかで、道路か何か作るのに7個墓撤去したら、そこ通った車7台が上から何か落ちてきて潰れた話無かった?しかも墓にあった名前13人、事故で死んだ人13人じゃなかったかな?これホントの話なら、知ってる中では一番酷い。心温まるとか感動しそうなのは意外とあるけど、TRさんに書いてもらいますか(笑)
(話きいたらそのうち書きます(笑))

③お地蔵さんは、多分皆のために奔走はしてないんじゃないかな?(笑)今あるお地蔵さんて、道祖的な役割多いんじゃない?要は地域に変なのを入れないようにとか。本来は、子供を守るもののはずなんだけど。たまにスポットとかにも祀られてるし、首落とされて、お地蔵さん自体がスポットになっちゃってるトコもあるけど。

Q 枕元にシルバーを置くと魔よけになると言いますが本当ですか?

A 微妙ななラインですよね(笑)造形によるところもあるんじゃないかと思います。銀は海外だと魔よけってイメージ強いけど、日本だと弱いですよね。俺もシルバーのリング着けてるけど、別に幽霊避けてくれないすよ(笑)

Q 幽霊に寿命はあるの?

A あ~、どうでしょうね。俺が見た中で一番古いのは平安時代くらいですよ、多分。縄文とか弥生時代とかは見たことない(笑)戦国時代の落武者的な幽霊はスゲーいます。有名人には会ったことないけど、下っぱであんな怨念抱いてんだから、当の武将はもっとだと思いますけど。武将の墓に行けば会えるかな?ちなみに、東京の将門の首塚は夜行ったことあるけど、冗談抜きで怖かった。でもあそこには将門いないと思う。質問の答えとしては、何とも言えないです(笑)


本題です。
20歳の佐藤君が成人式に行った時、中学生の頃は大して話したこともない同級生のA君が話掛けてきたそうです。
中学時代も友達は少なかった佐藤君ですが、A君とは同じクラスだったことしか印象になく、これは何か裏があるかな?と思ったみたい。
式場では雑談しかせず、その後無理やり連れていかれた飲み会で、案の定と言っていい相談を受けることになったようです。

A君の相談とは…
今付き合っている彼女(やはり中学のクラス違いの同級生)が、霊現象に悩まされている。夜中になると、誰もいないはずの台所から人の気配がする。物の配置が変わっている。電話が鳴っていないのに気づくと留守電が録音されており、聞くと男のうめき声、などなど、数えあげたらキリがないくらいで、それも毎日ある。
成人式の近くなったある日、彼女がA君のクラスに幽霊見える人いなかった?と佐藤君のことを思い出し、連絡先が分からないから成人式に来るのを期待して待ってました。
というものだったようです。

それを聞いた佐藤君は、自分は霊能者ではないから幽霊は見えても祓えないと断ったんだけど、とりあえず本当に幽霊の仕業かどうかだけでも見てほしいと言われ、あまりのしつこさに折れた佐藤君は、仕方なく見に行くことにしたそうです。

約束の日、A君と彼女のBさんの2人に迎え入れられた、某県寄り都内のワンルームアパートの一室。建物や部屋自体には、全くと言っていいほど違和感がない。
色々と現象についての話を聞きながら、部屋を見回していると、あることに気づいた佐藤君。
台所の包丁、まな板、部屋の小物類、彼女がしている指輪など、全部ではないがそこそこの物から黒っぽい靄(もや)がユラユラ出ているのが見える。佐藤君は、部屋にあった小物の一つを手にとって、「コレ、どこで買ったの?」と聞いてみたそうです。
黒い靄以外には何の変鉄もない、可愛らしい猫の置物。
Bさんは、少し困ったように「覚えてない」と言ったらしい。台所の包丁についても、同じような返事。

すると、A君が業を煮やして何か分かったのか?と横やりを入れた。佐藤君は、何となーくね、と答えると、少しでいいからBさんと2人で話したいと言いました。
何でだよ、と、まくし立てるA君。Bさんは、A君をなだめるとコンビニで飲み物買ってきてとA君に頼み、佐藤君と2人になる時間を作ってくれたようです。
A君が出たのを確認すると、佐藤君は単刀直入に切り出しました。
「さっきの猫の置物、包丁、まな板、その指輪、あれも、これも、誰かにもらった?Aじゃないよね?」
Bさんはビックリして、本当に分かるんだねと言ったそうです。
佐藤君が示したものは、全部元彼が買ってくれた物で、別に未練があるわけではなく、ただ勿体なかったり気に入っていたりで捨てていないだけだとのこと。勿論、捨てたものもあると。
そして、もう1つ質問。
「元彼はこの住所を知ってるか?」
答えはNOでした。別れてから引っ越したから、絶対に知らないはずだと。
「元彼が呪いとか掛けてるの?」
Bさんの言葉に佐藤君は首を横に振りました。呪いが掛かっているのではなく、Bさんが貰った物を媒体にして飛んで来ている。つまり、生霊だそうです。

佐藤君自身、生霊には会ったことがない。この時が初めてだったようで、まだ若かったのもあるんでしょう、興味が湧いて生霊を見てみたくなったみたい(笑)
ここで、佐藤君はBさんと取り引きします。生霊は夜中来てるから、確認したいから今日泊めてくれ。その代わり、この現象は何とかする。ただ、Aに知られるとケンカになったりするだろうから、上手く誤魔化して帰して欲しい。
Bさんは同意しました。ただ、男からしたらねぇ(笑)いくら頼んだとはいえ、自分の彼女が違う男と一晩過ごすってのは、何もないと分かっていてもやっぱり面白くはないですよね。
佐藤君には、この時どうしたら解決するかは分かっていたそうです。単に、プレゼントされたものを全部捨てたら、多分もう来れないと。最悪、知り合いの霊能者を紹介してあげようとは思ったらしいですが。
結局、A君はやはりゴネまくったものの、彼女の頼みを渋々聞き入れ帰っていったそうです。

佐藤君は、他人の彼女ではあるものの、Bさんと楽しく話しながら夜が更けるのを待ちました。
夜中1時頃、台所で気配がし始める。なぜ台所なのか?元彼は料理が好きで、よくBさんに手料理を振る舞ったそうです。その楽しい思い出が、逆に霊現象を引き起こしていた。
誰もいない台所を歩く音、引き出しを開ける音、閉まる音。
部屋と台所を仕切る扉をそーっと開く。Bさんもハッキリ見たようです。
間違いなく、元彼。それも本当にそこにいる人間のよう。
普通、幽霊の肌は色がないそうです。真っ白か、青みがかっているか。生霊たる所以は、この肌の色の違いじゃないかなぁ?と佐藤君。本当にいる人間に見えるのは、肌色だから。
「○くん!」
と名前を呼ぶBさんと、生霊を見て感動している佐藤君。
生霊は、Bさんを見つめると、スーっと消えていったそうです。
望みを叶えた佐藤君は、Bさんにどうしたらいいかを説明しました。それから2人でゴミ袋にプレゼントされたものを全部放り込んで、終わったのは午前4時半くらい。寝ていきなよと言ってくれたBさんでしたが、佐藤君は始発で帰ったそうです。

後日、事情を全部聞いたというA君からお礼の電話があり、以後は良好な友人関係を期待していた佐藤君ですが、音沙汰なしとのことです。
生霊を飛ばした元彼も、特に彼女を苦しめようとかそんな気は全くないみたい。まだ彼女に未練があるから、本人が意図した訳ではないが想いがBさんの所に来てしまっただけらしいです。生霊のタチの悪いのは、この辺なんでしょう。
この話の場合は、意図せず飛んだ生霊でしたが、恨みつらみで飛んだ生霊はもっとタチ悪いだろうし、言い換えたら最悪呪いすよね、と佐藤君は言ってました。

男女関係だけではないですが、あまり未練や悪意は持たないで生きていきたいなぁと思いました。


投稿者:TR