私の小学生の頃の話を聞いて下さい。

父方の祖父母の家が車で30分ほどの距離にあったので、毎週末のように弟と遊びに行っていた。

孫は私と弟の2人だけだったからとても可愛がってくれるし、優しい祖父母が大好きだった。

ある週末、いつもの様に父に祖父母の家に連れて行ってほしいと言うと祖父が具合が悪いから遊びに行けないよと言われた。

でも父が様子をみに行くというので私だけついて行った。

車の中で祖父の様子を聞くと、数日前から高熱が出ているという。

病院に行って診てもらったけどよくわからなくて熱も下がらないと聞いて、祖父の事がとても心配だった。

祖父母の家に着いて、車の中で待って居るように言われた。

少しの間大人しく待っていたけど、何だか家が騒々しい…。

胸騒ぎがして車から飛び出して『お祖父ちゃん!!』と言いながら玄関を開けて居間の引き戸を開けた。

居間の直ぐ横の和室も開いていてお祖父ちゃんの横に父と祖母の姿があった。

お祖父ちゃんは顔を紅くして、目を見開き、恐ろしい顔で何かを叫んでいた。

あまりの恐ろしさで動けなくなった私の後ろから『大変な事になっておろう』としゃがれた声がして更にビクッとして振り返ると、そこには祖母のお姉さんが立っていた。

………。

小学生の私には意味も解らず説明もしてもらえなかった出来事だったのだけど、中学生の時に父からこの事を詳しく聞いた。

まず、祖母のお姉さんの話を。
祖母のお姉さんは戦争で旦那さんを亡くして幼子2人を連れて旦那さんの実家を頼ったが、みんなが食べるのに困っていた時代で追い出されてしまい、出家して住職となりお寺と自宅が一緒になっている所で一人で住んでいた。

親族の中では一番力があり、亡くなった人と対話をしたり、祓ったりできる人だった。

戦前に生まれた祖父は11人兄弟で、祖母は9人兄弟。
幼くして亡くなる子も多かった時代で親戚の中で障害があり、幼くして亡くなった方が居たらしいが亡くなった後に自分の事を忘れられている事が寂しいと祖父に憑き供養をしてほしいという事だったそうだ。

祖母のお姉さんの所にその障害のある子どもが現れたそうで慌てて祖父母の所に来てくれたそうだ。

祖父の前でお経をあげ、何処のお墓に埋葬されているのか調べて供養をし直したのだという。

祖父は熱も下がりすっかり元気になった。

でも熱が出たことも何も覚えていないそうだった。


今回もお読みいただきありがとうございました。


投稿者:Yちゃん