レッカーの仕事、スーパーエースの話⑫です。前回の廃屋の話のコメントで、佐藤君の昔の友達という方から連絡がありました。山内さんという方なのですが、色々とあり直接話をさせていただけたので、コメントで少し口走っていた花火事件の話を書きたいと思います。
それと、コメントなんですが、一応全部読んでいます。で、自分で言い出していて申し訳ないのですが、止めた方がいいという声も多くなってきたのと、管理人さんへの非難も出てしまったので(管理人さんに迷惑をかけない投稿者を守りたいので)、しばらく質問を止めたいと思います。
もし、待望論が多いならまた考えますが、取り敢えず一旦終了で。

Q 霊媒師が悪霊を除霊やら成仏させているTVを見ますが、アレは消滅するのですか?それとも改心してどこかに飛んでいくんですか?

A 消えはしないんで、後者と言えば後者かな?(笑)まあ、納得させて無害な形にしていると俺は解釈してます。

Q 前日親戚が病気で亡くなったのですが、亡くなって50日後に天に行かれると言いますが、その間亡くなった人は家にいるのでしょうか?1回忌~など法事の日は1日限定で帰ってこれたりできるのでしょうか?

A 前にお盆で説明したんすけど、コレも似たようなもんで、結局ずっと家(位牌)にいるといえばいるし、墓(あの世?)にいるといえばいます。旅立つ旅立たない、帰ってくる来ないってのは生きてる側の理屈で、どっかにいなくなってるってことはないと思います。だから、いつでも傍にいるものとして思ってあげたらいいと思いますよ。

Q ネット越しでも相手に何か憑いているとか分かりますか?(少し困ったことになっていて…)

A あ~、残念だけどネット越しじゃ分からないんすよ。何があったか分かれば何となくは…。電話したり直接会えばほぼ分かるんすけどね。よっぽどでなければ、ほっとけばどっか行きますよ。

Q お二人は年はいくつですか?既婚、独身?

A これは佐藤君じゃなくTRがお答えしますね。一応質問締め切りなんで、最後だからどうでもいいことも(笑)
TR:41歳 既婚、妻子あり。TRはイニシャルではありません。意味はあります。実はこの4月でちょっとだけ出世します(笑)
佐藤君:35歳 独身。佐藤君狙いの人は急いだ方がいいです(意味深)。




登場人物は、廃屋の話とほぼ同じなので、A~Eの仮名は同じ人物ですが、実名OKをもらえた2人は実名でいきます。
A君=酒井君
E君=山内君
B~D=仮名のまま

花火事件 概要(山内、酒井version)

中学3年の3月、つまり卒業まで数日という頃、その事件は起こりました。
20時~21時頃、住宅街から少し外れた大きな公園に、佐藤、酒井、山内、B、C、D、同級生の女の子3人の計9人が、卒業式前のお別れ会をして、その後に花火をしようと集まっていた。
花火はどこから仕入れたか分からないが、C君が大量に持ってきた。それを、ワイワイと楽しくやっていた訳だが、突然B君と佐藤君が喧嘩をしだした。最初は2人で何やら話していた風に思っていたが、いつしか揉み合いになり、最終的には置いてあった大量の花火の山の上に倒れた。
すると、恐らくB君だが(佐藤君はライターを持っていなかったため)その花火の山に火をつけ、爆発さながらの花火の暴走が始まった。火花はもちろん、打ち上げ花火やロケット花火が四方八方に飛び、酒井君、女の子2人が負傷、火傷をおった。
渦中のB君と佐藤君はというと、佐藤君は何とか無事だったが、B君は履いていたナイロンのズボンに引火、大火傷をおって入院するという大惨事になった。

佐藤君以外の全員は高校進学が決まっており、学校や親へはその場にいたのは佐藤君、B君とC君、酒井君の4人だけで、花火の山に誤ってロケット花火を打ち込み爆発した、と報告した。内容を考えたのは佐藤君。
事件後に口裏を合わせようと女の子達がB君の見舞いに行くと、B君は公園でのことはほとんど覚えていないと言った。
C君は、親の財布からくすねた金で花火を買ったことがばれた。酒井君はとりあえずいただけということにしてあった。
女の子たちはもちろん、某有名進学校が決まっているD君と引っ越す山内君はいなかったことにした。
そして肝心の佐藤君は、一連の責任をほぼ被る形になった。が、高校に行くわけでもなく、元々後ろめたい親戚の家に迷惑がかかっても、悪いとは思うもののさほど心が痛む訳ではなかった。
最終的には、学校と親の話し合いで厳重注意と卒業までの期間(と言っても学校はないのだが)停学の処分で何とか事なきを得た。

問題は、なぜ佐藤君とB君が喧嘩になったのか、ということになる。事件後、山内君は引っ越しの準備もあり、また停学、外出禁止の佐藤君に会うこともできず、真相が聞けずにいたそうです。卒業式の日にやっと佐藤君にそれを聞くと、「言っても信じない」と言われて教えてもらえなかったと。
酒井君は、B君が3年の後期くらいから、自分たちのグループとは別のグループの奴らと遊んでいるのをよく見ていた。冬休み明けには以前より暗くなったB君を、佐藤君やC君とよく心配していた。だから、喧嘩はその辺が原因だと思っていたようです。ただ、以前はそんなことなかったのに、独り言を言ったりライターを擦るような?仕草をしたり、話かけても答えなかったりすることがあり、ちょっと様子がおかしいとは思ってはいたらしい。
結局、誰に聞いても明確な理由は分からず、当の佐藤君が話したがらなかったため、真相は分からず仕舞いだった。

その後、当事者たちはそれぞれの道を進み、会うこともなくなっていく。佐藤君は酒井君とD君とだけはそれからもたまに会う関係で、未だに連絡の取れる数少ない友人だそうですが、この事件のことは以後誰も口にしなかった。
山内君は、引っ越してからもずっと、佐藤君とB君がどうして喧嘩になったのかと思い悩んでいたそうです。佐藤君は卒業後には親戚の家を出てしまい、携帯もない時代なので連絡も取れない。他の面子とも次第に疎遠化して、やがて連絡先も分からなくなっていた。
それから約20年、本当に偶然このサイトで、何か佐藤君って言ってるしもしかして…って思っていたところ、廃屋の話であの佐藤だと確信した山内君はコメントに書き入れた、ということです。



花火事件 真相(佐藤version)

B君がおかしいと思ったのは、冬休みが明けた日だったそうです。
酒井君の言うように、B君が違うグループの奴らと遊んでいるのは知っていたし、別にそれはどうでもよかった。気になっていたのは、怖い思いをしたのに例の廃屋にもその面子とまた行ったようで、俗に言えば心霊スポット巡り的なことをやっていたこと。

中学生くらいまでは、意味もなく友達に年賀状を送りましたよね。彼らもそうしていて、佐藤君に届いたB君の年賀状には、まるで炭を触った手で書いたかのように、真っ黒な指紋がいっぱいついていた(ように見えた)。
休み明け、本人に会うと、何かとてつもない違和感を覚えた佐藤君。
今の佐藤君の霊視の力を100としたら、中学生の頃はいいとこ50と本人が言うように、能力面も経験も少ないため、この時点ではB君に何が起きているか理解できなかったようです。ただ、様子がおかしいし、もしかしたら変な霊に取り憑かれたか?とは思うものの、霊の姿は見えない。

それ以来、B君のことは気にはなっていたがどうするでもなく、いつもの日常が過ぎていく。B君は自分たちより別のグループと遊ぶことが多くなって、学校以外で会うことも少なくなった。

事件当日。
もうすぐ卒業、話す時間も限られていると思った佐藤君は、花火をしながらB君に話かけてみた。
そこには、いつものB君がいた。何気ない会話。ところが、B君が次の花火に火をつけようとして出した手を見て、佐藤君は驚愕。
B君の手は真っ黒に焼けただれ、まるで煙が立ち込めそう。黒く変色した皮膚の下に、真っ赤な肉が時おり見える。
佐藤君は、真っ黒に焦げたB君の手を掴んだ。「お前、どこ行った?何してきたんだよ?」質問に、B君はこう答えたそうです。

年末、少し離れた場所の民家で火事があり、例のグループと見物に行った(佐藤君たちも火事があったのは知っていた)。行った時にはもう火は消えていて、野次馬も引き上げかけていた。
するとグループの1人が、つまらないから少し待って、誰もいなくなったら焼け跡探索しようと言い出した。結局、2人焼け死んだらしく警察官や人がなかなかいなくならず、夜も23時くらいになったらしいが、数人で焼け跡をウロウロ。B君はそこで今手にしているジッポライターを拾って持ち帰ったそうです。
表面は煤だらけだったが、拭いたら綺麗になって、使えそうだから持っていると言って、得意気にフタをカチャカチャ開け閉めして見せた。

佐藤君がそのライターを見て感じたことは、そのライターが火事の原因であり、持ち主が自分で火をつけた。そして、その焼け死んだ人(50代くらいの男)が、B君に取り憑いたのではなく、完全に憑依している。
だから霊の姿が見えなかった。もうB君に完全に入っていたそうです。時折、その霊が全面に出てくると、B君はおかしくなったように見える。酒井君が見た、ライターを擦るような仕草は、実際に自分が家に火をつけた時の仕草だと。

B君が話終わるかどうかくらいのタイミングで、その霊が現れだした。ライターを擦り自分(B君)に火をつけようとする。B君は意識を保っておらず、今は完全に霊に支配されてしまっている。
佐藤君は焦ってB君からライターを取り上げようとした。抵抗するB君。揉み合いながら火が消えたのを見た佐藤君は、霊能者がやるように頭や背中を叩いて、B君からその霊を追い出そうとした。
ところが、やはり佐藤君には祓う力がない。端から見れば、揉み合いの末に佐藤君がB君を殴っているように見えるでしょう。
B君は、その最中に再びライターの火をつけて、自分を燃やそうとする。
佐藤君は必死に阻止しようと、どうなったかは覚えていないが、揉み合い、結果花火の上に倒れ込んだ。ライターが落ち、花火の山に火がつく。
佐藤君は飛び退いたが、B君は棒立ち状態。足には火が燃え移っているのに微動だにしない。周りでは、花火が飛び交い悲鳴が聞こえる。
佐藤君は無我夢中でB君を突飛ばし、足の火を消したそうです。そこからは、前記の通り。

これが、花火事件の真相だそうですが、確かに誰に言っても信じないでしょうね。
結局、B君に憑依していた男の霊は、ライターを無くしたことで抜けた様です。ライターは、公園の花火の山の中に落ちたまま。事後処理がどうなったかは当人達も分からないみたいで、警察などが来たわけではないから、公園の管理者とか業者とかが片付けたんじゃないか?とのこと。

酒井君は、事件の後B君に会っているそうです。やはり、公園でのことは全く覚えていないが、学校で話す佐藤君が、時々とても怖いと思うことがあった、と言っていたそうです。
念願の真相を知った山内君は、ただため息をついてました。電話口でしたが(俺はハンズフリーで話に参戦していた)、目を閉じてうなずいている山内君を想像すると、感慨深いものがありました。

この話は、恐らく山内君が現れなければ佐藤君が墓まで持っていった話でしょうし、きっとこんな話幾つかあるんだろうなぁと思いました。佐藤君が話したがらない話は、ね。


投稿者:TR