レッカーの仕事、スーパーエースの話⑲です。コメントに、時系列で並べ替えてくれと書いてあったんで、並べます。時代が同じだと似た話ばかりで密集すると思い(例えば佐藤君がフリーターの頃は、心霊スポットの話ばかりになるので)、飽きないようにワザとバラけさせてたんです。
まあ、読み返すような話じゃないと思うんですが(笑)読んでいただいてありがとうございます。聞いた話もTR体験談も全部合わせて並べ替えました。

(佐藤君幼少期)祈り→仏壇→桜→(佐藤君中学生)廃屋→花火事件→落下物→(佐藤君中学卒)トンネルにて→絶叫→(佐藤君土建屋入社)呼ぶ声→(TR現会社入社)マイカー搬送の仕事→経歴不詳→モトカレ→守護霊→(佐藤君フトン屋入社)着信→髪→彼女の話→人形→新居→血のり→化け物→(佐藤君現会社入社)死亡事故→幽霊騒動→死体遺棄→回送バス→仮眠→レッカーの仕事→先住者→引っ越し

こんな感じです。よかったら、これで読んでみて下さい。間違えてたらゴメンね(笑)


さて、今回は佐藤君が土建屋入社直前の話なので絶叫の話の後ですね。
前回の話で紹介した心霊スポット好きの先輩が、別グループと某心霊スポットに出掛けた様子をビデオに取ってきたと言って、佐藤君の所に持ってきたそうです。
これ、心霊スポットって実名出してOKなんでしょうかね?誰か教えて下さい(笑)実名OKなら今度から実名でいきます。分からなければ、今後も「某」でいきますね。

当時は、まだデジカメがあったかなかったかくらいの頃ですから、当然テープを入れるハンディカムで撮影していました。
この時佐藤君が居候していたのは新居の話で紹介した幼馴染みの先輩の家で、この先輩同士は同級生。佐藤君が居候しているのを知っていて、家まで来たようです。
佐藤君はともかく、皆は心霊スポットの映像と言われたら興味津々で見たいと言い、何だかんだで一緒にスポットに行った人達も集まり、10人近くでの上映会になりました。撮影者含め数名が欠席。

ハンディカムをテレビの外部入力に接続して、上映会スタート。
どこかのお墓のようで、佐藤君がどこ?と聞くと、有名な某霊園だと先輩は答えました。

数名で賑やかに霊園の中を散策する姿が撮されている。
暫く見ていると、佐藤君がピクッと反応。直後、撮影者がカメラごと後ろを振り返る。「どした?」と誰かが言うと、撮影者は「誰か着いてきてる?」と聞いた。
「いや、分かんない」「いねーよ、誰も」様々にビデオの中で会話がされている。
「来てるよ、多分男の人。」
佐藤君がボソッと言うと、部屋の全員がギョッとしたそうです。何か心当たりのありそうな、そんな顔。

ビデオは続く。やがて道なりに歩いていた一行は、道を外れて墓の合間を縫って歩き出した。会話から、どうやらその霊園には井戸があり、ソコで幽霊の目撃例が多いということが分かり、彼らの目的地が明白になった。

相変わらずワイワイ移動している一行。佐藤君の顔は険しくなっていく。撮影者は、ちょいちょい振り返る。
「これ、分かるかな?ずっと男の人のうなり声入ってんすけど。さっき女の声もしてたし」
佐藤君の言葉に騒然、巻き戻して確認。
「これね、さっき男の人着いてきてるっていったけど、もう何人も着いてきてるっすよ。足音も入ってんだけど、多分撮影してた人は気づいてたんじゃない?」
声も足音も確かに聞こえる。

先輩が、「確かにA(撮影者)は、途中から何かヤバイとか言ってた」と言うと、皆は同意したそうです。
「Aさんって、帰り道にはもう体調悪かったでしょ?多分とり憑かれたと思いますよ。あと行った人で来てない人は?」
佐藤君が言うと、先輩が「BとCだけど、ちょっと先見てくれよ」と言う。

さらに続く上映会。暫くすると、目的地の井戸にたどり着いた。見た瞬間、佐藤君が言う。「よく行ったなぁこんなトコ!ヤバイすよ、マジで。」
ビデオは井戸を映す。井戸には鉄格子がされていて、外すことはできない。
「皆さん見えないでしょ?これ、どうなってるか分かります?」
佐藤君が少し興奮気味に言うと、皆は困ったような顔で分からないと言った。佐藤君は、ため息をつきながら説明したそうです。
「井戸から6本手が出てる。一人が大元で、二人は引っ張られて落ちて死んだ人。だからフタされてんすね。あとね、みんな囲まれてますよ。何人いるだろ?10人じゃ利かない。めっちゃ怒ってる。墓とか卒塔婆とか踏んだり蹴ったりしたでしょ?」

図星だったようで、黙り込む数名。流れ続けるビデオが、突然騒然とし出す。
「うわ、何?」
「うおー!」
何か見えたのか、声が聞こえたのか、パニックになって逃げ出す一行。画面はブレまくり、地面や空が撮されてまともに映っていないが、何があった?と聞くでもなく、佐藤君が話し出す。

「先輩、腕捕まれたでしょ?」
先輩が恐る恐る、何で分かるのか?という顔で佐藤君を見る。
「あと、多分来てない人だと思うんですけど、転んだ人いないですか?」
佐藤君の見解通り、BとCの2人が逃げる最中に転んだという。
「その人たちは足捕まれてます。転んだ時にとり憑かれてますよ。ちなみに先輩が来たとき分かってたけど、今さら隠しても仕方ないんで言いますが、先輩にも憑いてます。女の人。左腕、ずっと痛くないですか?」

先輩にとり憑いた女は、その時からずっと腕を掴んだまま離してないらしい。
見ると、何となくだかうっすらと指の間隔で青タンになりつつある。
足を掴まれた2人も多分掴んだまま離してないし、撮影者のAさんに関しては何体も憑いてきたと思うと。
Aさんは、撮影していたこともあり、気づかずに墓石や卒塔婆を踏んだり蹴ったりしてるという。
「霊は仕返しするし、容赦もないから。多分Aさん、全身痛いって言うと思いますよ。霊園の幽霊だから、無縁でも供養はされてるし、ある程度で許してくれるとは思うんですけど、御供え持って謝りに行った方がいいですよ。特にとり憑かれた人達は」

後で聞いたところ、佐藤君の言うようにAさんは全身痛くて起き上がれず、Bさんは足に力が入らず動けなかったそうです。Cさんは、先輩同様に手形のようなアザが浮き上がっていたようです。
翌日、全員で謝りに行くことにすると、AさんBさんは不思議にも動けるようになったみたい。
佐藤君の助言で、井戸の所に御供えをして線香を焚き、声に出して「お騒がせしてすいませんでした、もうしません!」と言うと、その翌日にはアザも消えたし痛みも無くなったようです。
一行の中には、半信半疑の人達もいたようですが、今回の一件で信じたり、遊び半分で心霊スポットに行くのは止めるという人もいたみたいですね。

霊園は魂の休む場所だから、遊び半分は止めてあげて欲しいと佐藤君は言ってました。他の心霊スポットとは訳が違うと。


投稿者:TR