俺は警察標識なんぞ立ててる現場の監督をやっている。

仕事としては容赦なく町中でも地面掘り返さにゃならんので、時々とんでもないモンに行き当たる。
撤去されてないけど、ガスたっぷり残ったガス管とか、自動車と、異様に執念深く丹念に破壊された腕時計の山とか、骨とか。
まぁいろいろなものに行き当たってるわけだ。

一番びびったのは『顔』。
ほとんど岩盤と化した土盤掘り進んでた土方が、
「……カントクー」と言ったので、ひょいとそっちを見たら、土中に顔があった。
電動掘削機使ってて傷一つつかないってことは、
「マネキンだろ、人形」と言いくるめようとしたら、(我ながら謎な言いくるめだったわ)
目が開いた。

全力で埋め戻して、
上には「土中に岩盤層があったので掘削不可でしたっっ」と報告して、位置ずらした。

ワケ分からんが微妙に怖い。人柱か何かか?

土中の顔はホントに顔、としか言いようが無くて。
普通は「あ、死体だ」とか「人形だ」って思うはずなんだが、ぽんと浮かんだ言葉は「顔」。
土にまみれてた割には綺麗だったなあ、という印象は覚えてる。というかまだたまに夢に見る。


投稿者:やまぬし