友人の話。

友人宅に遊びに行くと、そこの家のお母さんが、お中元に素麺が届くと開封されていない高級素麺の木箱ごと私にくれる。

「うちはいらないし、置いといても困るから、好きなら持っていって。」

素麺大好きで嬉しいのだけど、夏なんだし、食べたら?冬にも温かい素麺とかいいじゃん。と友人に言うと、母親が素麺苦手で、食卓に出たことはないのだとか。

聞いた理由が気持ち悪かったので投稿します。


友人の母の父親、つまり友人のじいさんは、 土地もちで有名な資産家だったみたい。でも生来から変な人で、 悪質な嘘も並べていたみたいで周囲とよく摩擦があったらしい。
悪評のせいか資産家でも同格の家からは嫁の来てもなかったようで、30後半まで独身だったが、ある時、親に内緒で県外で暮らす女性を妻にした。
この女性が後の友人のばあさん。
じいさんは結婚前に子供をつくって、県外住まいのばあさんのとこに転がり込んでいたようだ。けど、仕事行くふりをして金のある実家に帰るという二重生活。
なんで、親に内緒にしてたのか、妻にも自分も親はいないからと嘘ついてたのか全くわからない。
とにかく色々なことからじいさん側の親に発覚して、そのときはもう友人の母も生まれていたから、小さなトラブルはありながらも、じいさん実家や夫婦も仲良くやってたみたい。
けれど、じいさんは子供の世話は一切することなかったし、子供の名前を自分でつけたくせに、覚えてない。
いちいち子供を呼んでは、先に名前を訪ねる。そして『恵美子』とつけた子供に、『お前は恵美子って顔じゃなくなってきたから、今からまさこだ。』と言う。文句いおうものなら、女の子だろうがぶん殴られるのを知っているから、穏便に『はい』と答えて側には寄らなかったらしい。
仕事もしていない、夫婦仲も悪くなってきた、そして周囲から旦那のことで文句言われまくるようになってきたから、とうとう覚悟を決めて、離婚をしようと一番下の子が中学生の時に離婚決意。
殺されるかもと思いつつ、旦那の親も交えて離婚を申し出ると、そのみくだりはんつけられたじいさんは、別に構わない。とみんなが呆気にとられる程、すんなり承諾。

住んでいた場所に暮らしているのも、気分を変えられてまたじいさんが襲撃しにきたら怖いので、ばあさんの友人を頼りながら、平屋がより集まった新しい土地に家を借りてしばらく暮らしていた
すると、やぎや羊を飼ってる場所は近隣にないらしかったのに、一匹とことこ歩いてたなんて話を聞くようになった。
やぎをそばで見たことない友人の母達三兄弟はちょっと見てみたい~なんて言っていたある夏休みの昼。
ばあさんは仕事に行っていて、三兄弟で素麺を茹でて食べていた時、玄関の扉に何かコツンコツンと当たる音がした。
気にせず素麺を食べていたけど、今度は縁側の方の磨りガラスの窓にも何か当たる音と共に、陰が。

友人の母の妹が素麺のつけ汁持ってなんとはなしにその窓を開けたら、父の顔にやぎの体のへんな生き物が、
「よお!」
と、にこにこ見上げてきたらしい。
友人の母もびっくりして、固まってたみたいだが、妹が手に持ってたつけ汁ぶっかけて、窓しめて、トイレに入って窓から大声で助けを呼んだみたい。平屋長屋で、当時のご近所だから、すぐ人が出てきて集まった。
事情話してたら、長屋のすぐそばの道が堤防だったらしく、そっちに走っていくやぎの後ろ姿を長屋の人が確認。それを捕獲しようと追いかけて行った人がいたけど、人面やぎに気付き怖くなってから手で戻ってきたとか。
警察呼んで仕事場に呼びに来られて帰宅したばあさんも、子供達の話が怖くて、その夜はお隣に泊めてもらったみたい。

結局それから人面やぎは現れていないみたいだけど、友人のお母さんは素麺の映像をテレビで観るだけでも父親の顔したやぎのニコニコ顔が浮かぶらしく、とても気味が悪くなるらしい。



投稿者:問のboy