25年も昔の話。私の自宅から300㍍ほど離れた場所(国道沿い)で起きた不思議な出来事です。

当時私は高校2年生で夏休み中という事もあり、3年生の先輩3人と一緒に夜中の1時過ぎまで私の家(部屋)で、覚え立ての麻雀を楽しんでいました。

しばらくすると先輩が『喉が渇いたのでジュースを買いに行こう!』と。…そんな訳で4人で国道沿いにある自販機へと向かいました。


4人は国道までたどり着きましたが、自販機の場所は道路を渡って更に30㍍ほど先にあります。

先輩3人は私にお金を預けつつ『俺達はここで煙草を吸って休んでるからジュースを買ってきてくれ。』と言い、アスファルトに座り込んで雑談を始めました。

私は内心『チッ!ムカつく~』と思いながらも『分かりました~!先輩達、何飲みますか~?』と満面の作り笑顔で対応しました。

2人はブラックコーヒー。もう1人はアクエリアスをオーダー。

私は自販機に到着し小銭を入れて、まずはブラックコーヒーを2本購入。次にアクエリアスのボタンに目をやると、残念ながら品切れランプが付いてました。

そこで『夜中に迷惑かな?』と思いつつ、向こうに居る先輩に大声で『アクエリアスが売り切れっすー!何にしますかー!!』と叫ぶと、聞こえているはずの先輩達は私の方を見て、立ち尽くしていました。

何で黙ってるのか不審に思いつつ再度大声で叫ぶと、ようやく『悪い…お茶でいいぞー!』と返って来ました。

最後に自分の分を買って、先輩達の所に戻りました。

戻ったと同時に、私は先輩達の様子に何か違和感を覚えました。

『ん?どうかしたんすか?』と私が尋ねると、1人が『うん… お前がさっき俺達に大声で話し掛けた時さ… お前の所に小学1・2年生位の男の子が現れて、お前の横に立って俺達に向かって手を降ってたんだけど、あれって誰なの?近所の子供か?』と言ってきました。他の2人も見たと言いました。

私は何の事だかサッパリわからず、どうせまた私を驚かせようとして3人で嘘を付いているんだと思い『も~!勘弁してくださいよ~!またいつものドッキリっすか~!』と、笑いながら返しましたが、3人はいつになく真顔で、1人が言いました。

『いや、さっきお前が俺達に向かって叫んでた数秒間の間にさ、突然道路の向かい側の草村から子供が現れて、そのまま道路を走りながら横断してお前の横に立ってさ、俺達の方を見て手を降って来たんだよ! そして直ぐに自販機の横のガードレールをすり抜ける様に居なくなったんだ!』と説明してくれました。

引きつった顔で、少し早口になりながら真剣に話す先輩の姿に、これはガチだなと確信しました。

取りあえずその日は私の部屋に戻り雑魚寝。何事も無く朝を迎えました。

自分の近くで起こった不可解な出来事が気になって、一睡も出来なかった私は先輩達が帰った後、両親に昨夜の事を話しました。

すると、しばらく考えてから父が『ああ… 思い出した… あの自販機の道路向かいに、消防の貯水池があるだろう。 実は20年程前に、その貯水池で当時小学1年生の男の子が1人で遊んでいて溺れて死んでしまったんだよ。 その子の自宅は、お前がジュースを買った自販機の横にある家だった。あの事故の後、家族は傷心のまま引っ越してしまい、今は空き家の状態で残ってるんだ。 とても明るくて仲の良い家族だったよ。亡くなった子が生きていれば、ちょうど成人式を迎えていた位だな… お前の先輩達が見たのは、たぶんその子の霊だろう。』との事でした。

過去に自宅近辺で、そんな悲しい事故があったなんて全く知りませんでした。 もしかしたら、楽しそうに遊んでる私達4人を見て、男の子が一緒に遊びたくて現れたのかな?などと勝手に解釈しています。

男の子の霊を目撃したという話は、後にも先にもその時の3人の先輩だけです。 貯水池は、それから数年後に役目を終えて埋め立てられ、そこには桜の木が植えられました。

あれから25年が経った今、オッサンになった私は、年に数回の奉仕作業で草刈りを行っていますが、貯水池があった場所を刈る時は、必ず当時の事を思い出しながら、穏やかな気持ちで草刈り作業を行っています。


投稿者:助の助