私は実家暮らしで家族と岩手の沿岸部に住んでいます。

私の家系は特に神道や霊能の類は関係も無く、強いて言うなら遠い祖先が蝦夷の呪者だそうです。東北には、そんな先祖がいる家はザラにあるのですけど。

そんな普通の田舎の家族ですが、霊感があるらしく、特に女性が強いらしいです。私の家族の内訳は母、兄、姉、私、妹の5人家族です。父は私が母のお腹にいる内に離婚してしまったそうなので顔も姿も分かりません。

近くのタクシー会社で働いてるらしく、見掛けたら母が「あれがお前の父親だよ。」と、あっけらかんと話すこともありますが、如何せん私にはただのおじさんにしか見えず……。

話を戻しますが、霊感が強い女性。私の家族で言えば母、姉、妹の事です。兄は見えも感じもしませんし、私もすりガラスの向こうで人影が横切ったのを見たり、近くに何かいるな程度にしか分かりません。

妹は幼い頃、3.4歳で季節は夏、家の前の駐車スペースで1人で遊んだり笑ったりしている時期がありました。

この話は母から聞いた物なので詳細は判りませんが、その日も1人で遊んでいたそうです。すると妹は、てててっと家の中に入り、小さい背を伸ばして冷蔵庫の上の段にある冷凍室を漁ってアンパンマンの小さいアイスキャンディーを持ってまた出て行こうとしました。

母は(暑いから外で遊びながら食べるんだろうな。)と思いまた洗濯に戻ろうとしたそうです。ですが、ふと違和感を覚えて妹に声を掛けました。

「何してるの?」

妹はアイスキャンディーを2つ持っていました。その頃の妹は、確かに食い意地は張っていましたが、アイスの様な溶ける物は必ず食べたい時に必要な分だけ手にする、歳にしては聡い子です。それに違和感を感じたのでしょう。声をかけられた妹は、くるりと振り向きこう答えたそうです。

「あのね、ちっちゃいお姉ちゃんとこれ食べるの!」と。近所には子供が沢山いますし、人懐っこい妹はその子達にも可愛がられていたので、母はその中の誰かだと思ったらしいです。

少し経つと妹はとぼとぼと戻ってきて困った顔で母に、「お姉ちゃん居なくなってた。」と答えたそうです。母は頭を撫でながら、色々と尋ねました。

何して遊んだの?

「追いかけっことか、お話したの。」

楽しかった?

「楽しかった!」

どんな子だった?

「ちっちゃいお姉ちゃんだよ。」

どれくらい?

「私と同じくらい。」

他には?

「えっとね、赤いお着物着てた!」

そこで母は少し肌寒くなったと言っていました。詳しく聞くと、100cmに満たない背の着物を着たオカッパの子と遊んでいたそうです。それも今までずっと、1人で遊んでいると思っていたあの時も、すぐそばにちっちゃいお姉ちゃんがいたと話していました。

常日頃から着物を着ている子なんて近所にいませんし、1人で遊んでいる姿は家族全員、家の中から何度も見かけています。ですが、着物を着た子供は誰も見てませんでした。

前述にも母も霊感が強いと述べましたが、その時は全く感じなかったそうです。確認の為、辺りを探索してもそんな子は居なかったそうです。

その後も何度かちっちゃいお姉ちゃんと遊んでいた様で今日はこんな事をしたと話していましたが、6歳までにはすっかり無くなって、今はその時の事は覚えてないようです。

イマジナリーフレンドだったのか、本当に霊的な何かだったのか判りませんが、妹に関して最も不思議な話でした。

大して怖い話でも無い挙句、長いだけになって申し訳ありません。姉や母に起きた不思議な体験はまた後程。


投稿者:愚wraith